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雑記帖〜生生流転

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2004年11・12月に思ったこと

大統領選挙

残念ながら、ブッシュ氏が再選されてしまった。 アメリカは、世界はこれからどうなってしまうのだろう。
約半数の人が「アメリカは間違った方向に進んでいる」と認めながらも、ブッシュを支持する人が多いのは本当に理解出来ない。
共和党支持者の中でも「ブッシュは大嫌いだけど支持する」という人や、「政党は支持しているけどブッシュがやってきたことは人間として許せない」と、今回は民主党に投票した人もいる。人それぞれ、政府に何を求めるのかが違うのでしょうがないが。

ブッシュ政権のキャンペーンで一番理解出来なかったのが、彼らの言う「モラル、道徳」についてだ。 今回問題になっていたゲイの結婚や中絶を違法にするということは、(いい悪いは別として)熱心なキリスト教徒にとっては重要なことなのだろうということは想像出来る。しかし、モラルについて語るのならば、 共和党が支持する処刑についてはどうなのか。聖書によると、人が人を裁いてはいけないのではないのか。テロリストに対しても、「やられたらやり返す、やられる前にやってしまえ」というのは明らかにキリストの教えに反している。 テロ=悪い=やっつけてしまえ、と相手に非を見る前に、「なぜ自分達がこんなに嫌われているのか、(世界中の)テロリスト達はなぜアメリカを攻撃するのか」という部分をもっと考えることも大切なのではないだろうか。 テロを正当化しているわけではないし、テロは許されない行為だと思うが、選挙直前のビン・ラディンのビデオは、テロを防ぐ唯一の方法は、アメリカ国民一人一人が自分達を振り返る必要性があるというメッセージだったように思える。

戦争についても、聖書の中には一部の戦争は正当化する記述もあるらしいが、人が人を殺す、ということは正当化されるべきではないと思う。今回の戦争はそもそも、テロリズムとは何ら関係なかったのに「イラクの人々を解放する」という「”正義”の名のもとに」 多くの命がなくなっている。

ともあれ、自分達に都合の良い「モラル」を武器に、アメリカ市民の『良心』を利用した彼らの作戦はどうかと思った。(そもそも、ブッシュは宗教を武器にしすぎる)

今回の選挙は、そういう国民の「感情」の部分ばかりが優先されてしまって肝心な政策についての論争がおろそかになってしまったのは非常に残念だ。 ケリー陣営も、ブッシュ側からの悪口・批判作戦に応酬することなく、具体的な政策を述べることに集中してほしかった。 (アメリカ人の夫は「いや、ブッシュへの反撃が遅すぎたのが失敗だった。もっと早くからブッシュ政権の批判をするべきだった」と言うのですが・・。)

メディアもやたらと感情を煽り立てるものが多かった。アメリカの新聞、テレビ、雑誌などは、大抵どちらか寄りなので「相手がいかに悪いか、間違っているか」という部分ばかりが目についた。 (わりと中立なのは新聞はUSA TODAY、テレビは公共テレビかBBCぐらい・・かな?) 共和党支持者は共和党寄りの情報を、民主党支持者は民主党寄りの情報しか見ないだろうから、感情的な部分がますます刺激されてしまっていたのではないか。 私はケリー氏を支持していたので、なるべくブッシュ批判でない情報、ニュートラルな情報を得るように気をつけていたが(もともと反ブッシュなのに反ブッシュの情報ばかりを選んでいたら公正な判断が出来なくなってしまうと思ったので) ニュートラルな情報を見つけるのはなかなか難しかった。

マイケル・ムーアも、明らかに反ブッシュという形をとらずに、中立の立場をとっていたら、もっと効果的だったと思う。 ブッシュ支持者は彼の言うことははなから聞く耳もたないだろう。もし中立の立場で事実をありのままに見せて、見た人の判断にゆだねる・・という形をとれば、多くのブッシュ支持者を動かすことが出来たかもしれないと思うと残念だ。いい監督さんなのに。

まあ、泣いても笑ってもブッシュが大統領であることには代わりないので、これからは彼が再び道を誤ってしまわないよう祈るのみだ。 「歴史に大きな足跡を残す」という野望は果たしたのだから、これからは自分のことはさておいて、大統領としての自覚ある判断をしてもらいたい。



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